更新日:2025年11月21日
クマがいない地域はどこ 本州唯一の県や全国の分布と理由を徹底解説
2025年に入り、熊の出没や被害に関するニュースが一気に増えてきました。
私は証券会社で勤務していた頃、兵庫県に住んでいて、休日には同僚と山や川へ出かけて自然を楽しむこともありました。しかし、これだけ熊の話題が続くと、「キャンプやBBQに行きたいけれど少し不安…」と感じる人も多いと思います。
もともと私はニュースやトレンドを多角的に調べるのが好きで、今回の熊の出没増加についても「そもそも熊がいない県・地域はどこなのか?」という点が気になりました。そこで、日本の中でクマがいない地域と、その理由について整理してみました。
本記事では

クマがいない県はどこか
県以外の熊のいない地域
なぜクマがいないのか
熊がいない地域で問題になっている野生動物
- よくある質問
をわかりやすく整理しました。
日々のニュースを深く理解する一助として、参考にしていただければ幸いです。
※本記事は、私が公的データ(環境省・林野庁・各県の生物分布資料)などを読み解いて整理した「知識・教養目的」の解説です。生活の安全を保証・助言するものではなく、ニュースを深く理解するための一般的な情報としてご覧ください。
本州でクマがいない地域は千葉県だけ
本州には各地にツキノワグマが生息していますが、例外的にクマがまったく確認されていないのが千葉県です。
ここでは、千葉県にクマが生息しない理由と、歴史的にいつから不在とされてきたのかを解説します。
千葉県がクマ不在とされる地理的な理由
本州の多くの県にはツキノワグマが分布していますが、千葉県は唯一クマの生息確認が報告されていない県です。千葉県は古くから「里山と平地の連続」で構成され、山地が少なく、クマが生息できる広い森林帯が存在しません。
さらに、房総半島の南側は三方を海に囲まれており、陸路での侵入は不可能です。北側に目を向けても、広大な関東平野が広がり、都市化の進んだ地域が連続しています。住宅地や工業地帯、農耕地が密集しているため、クマが安全に移動できる森林帯が途切れ、結果として本州内のクマ生息地と千葉県がつながっていない状態になっているそうです。
縄文時代からクマの痕跡が見つからない背景
考古学の調査でも千葉県からクマの痕跡は確認されていません。
縄文時代の遺跡からはイノシシやシカの骨が多数発見され、当時の人々が狩猟対象として利用していたことがわかっています。しかしクマの骨は一切出土していないのです。
これは単なる偶然ではなく、古代からクマが生息していなかった証拠であると考えられます。研究者の中には、千葉県は連続した森林の面積が小さく地形的に孤立していた点も影響したと見られています。
さらに周辺地域との交流を示す遺物が出土しているにもかかわらずクマに関するものは確認されていないため、当時から千葉県は本州において特異な存在であり続けたことが明らかになっています。
(出典:産経ニュース 「クマいない」千葉県にアウトドア客も注目 三方が海 小さな森林…条件重なり生息せず)
千葉県のアウトドア施設
千葉県には房総半島や養老渓谷、鋸山など、自然豊かなエリアが多くあります。例えば養老渓谷駅周辺にはハイキングコースや温泉施設が整備され、観光客も気軽に訪れることができます。
清澄山や亀山湖キャンプ場なども人気のスポットです。キャンプ施設では初心者向けのレンタルサービスも充実しており、家族連れやアウトドア初心者にも適した環境といえます。ただしクマがいない一方でイノシシやサルは生息しているため、食べ物の管理や自然環境への配慮は欠かせません。
・キャンプ場一覧
亀山湖オートキャンプ場
レイクサイド亀山キャンプ場
※「クマがいない地域=安全」という意味ではありません。
この部分は、野生動物問題の“種類の違い”を知識として整理するための内容です。
行動判断に使わず、あくまで教養目的としてご覧ください。
九州や四国はクマがいない?現状と理由を解説
では、本州以外の地域ではどうでしょうか。九州や四国のクマの生息状況についても調べてみました。
九州でツキノワグマが絶滅した歴史と原因
九州には古くツキノワグマが生息していましたが、1950年代には生息情報が途絶え、2012年には環境省によって正式に絶滅が宣言されました。
主な原因は森林伐採による生息地の分断と餌不足、さらに狩猟や有害駆除による捕獲圧でした。山岳が本州ほど広大でなかったことも影響し、個体数が回復することはなく、現在では九州でクマに遭遇したという公式データは確認されていません。
(出典:環境省 日本のクマ類)
九州に熊がいない理由や歴史については
👇コチラで詳しく解説しています。
熊が九州にいないのはなぜ?驚きの歴史と現在の課題

四国の熊の生息状況と歴史
四国のツキノワグマは、昔は四国山地を中心に広い範囲で見られました。しかし、林業が進んで森が減ったことや、過去に害獣として捕獲されたことが重なり、現在では徳島県と高知県にまたがる剣山周辺だけに残るほど希少になっています。
2017年の調査ではわずか16〜24頭と推定され、数が少なすぎるため血縁の近い個体どうしの繁殖が増え、将来的な健康面のリスクも心配されている状況です。
(出典:四国森林管理局 四国山地におけるツキノワグマ生息調査の結果について ~「はしっこプロジェクト2024」~)
「クマ」よりも「シカ・イノシシ」の被害が深刻
四国・九州では、実態としてツキノワグマの被害よりも、ニホンジカやイノシシによる農業・林業被害が圧倒的に大きくなっています。
愛媛県に生息するイノシシは、昨年度の推定でおよそ5万4600頭、特にここ10年間は、5万頭を超える高い水準で推移していて、シカについても、県内全域でおよそ4万8000頭が生息しているとみられています。
愛媛県の令和6年度の野生鳥獣による農作物被害額は年間5億円に達しています。
被害対策の中心はクマではなく、シカ・イノシシの管理に移っているのが現状です。
(出典:愛媛県庁 野生鳥獣による農作物等被害の概況(令和6年度))
沖縄:熊以外の危険生物
地理的な隔たりと亜熱帯の生態系が関係している
沖縄や南西諸島は本州から遠く離れた島々であり、クマが自然に移動してくることは不可能でした。そのため古代からクマが生息していた痕跡は確認されていません。
また、沖縄は温暖で亜熱帯性の生態系を持ち、クマが生活するために必要とされる広大な落葉広葉樹林や冷涼な環境が存在しないことも大きな理由です。
代わりにマングローブ林やサンゴ礁、亜熱帯特有の植生が発達しており、独自の生態系が形成されています。
これらの条件が重なり、沖縄は日本国内でも特にクマが存在しない地域となっています。
(出典:オンラインClear OKINAWA なぜ沖縄には熊がいないのか?―青い海に囲まれた島の生き物事情)
沖縄の野生生物問題
クマが生息しない沖縄では、代わりにイノシシと野生化したヤギ(ノヤギ)が問題となっています。恩納村では、村内全域の道路周辺でイノシシの出没が相次ぎ、村の公式サイトでも注意喚起が行われています。
(出典:恩納村 イノシシにご注意ください)
また、世界自然遺産・西表島では、家畜が野生化したノヤギが増え、植生への影響が懸念されています。沖縄県は2022年度からノヤギを「重点対策種」として試験的な駆除に着手しており、地域ごとの生態系に応じた対策が求められています。クマがいないからといって安全とは言えず、地域特有の野生動物への理解が重要です。
(出典:沖縄県 沖縄県外来種対策行動計画に基づく ノヤギ 防除計画)
沖縄で注意すべき危険生物
沖縄にはクマはいませんが、他の危険生物に注意が必要です。
ハブをはじめとする毒蛇、強い毒を持つハブクラゲやカツオノエボシなどの海洋生物、さらにはイモガイやオニヒトデといった生物も観光客に被害を与える恐れがあります。
事前に現地の危険生物について情報を得ておくことで、沖縄の自然を安心して楽しむことができます。
(出典:沖縄県 気をつけよう!!海のキケン生物)
クマがいない地域の共通点
クマがいない地域についての共通点をまとめました。
共通点①クマが入れない物理的な障壁が存在
1つ目の共通点は、クマが移動して来られない物理的な障壁が存在することです。
九州や沖縄は島であるため、本州に生息するクマが自然に渡ってくることはほぼありません。
また、本州で唯一クマがいない千葉県も同じ構造を持っています。南側は三方を海に囲まれ、北側は都市化した地域が広がっており、森林が連続していません。このため、他の地域からクマが移動してくる道が断たれており、結果として生息しにくい環境になっています。
共通点②クマ以外の野生生物による被害
クマがいない地域だからといって、野生動物による被害がないわけではありません。四国や九州では、クマよりも シカやイノシシによる農林業被害のほうが深刻 になっています。沖縄では、家畜が野生化した ノヤギ が増え、生態系への影響が問題視されています。
さらに、本州で唯一クマが生息しない千葉県でも、イノシシやシカの被害に加え、飼育されていた特定外来生物の「キョン」が逃げ出しそのまま野生化・定着したことで個体数が増え、年間400~500万円規模の農業被害 がでているそうです。
(出典:千葉県公式ホームページ 千葉県におけるキョンの現状 資料1)
よくある質問 クマがいない地域に関するQ&A
Q.日本でクマが全くいない都道府県はどこですか
A.本州で唯一クマが生息確認が報告されていないのは千葉県です。また、九州や沖縄、さらに離島にはクマが存在していません。
地理的な隔たりや生息環境の違いが大きな要因となっています。
Q.九州にクマはいないのですか
A.九州ではツキノワグマが1950年代に姿を消し、2012年に環境省によって絶滅宣言されました。
原因は森林伐採や餌不足、狩猟圧とされ、現在は自然界で生息が確認されていません。
Q沖縄や離島にクマがいないのは本当ですか
A.はい、本当です。沖縄本島や宮古島・石垣島などの離島にはクマは生息していません。
これらの地域は本州や四国・九州と地理的に隔たっており、クマが自然に渡ってくることは不可能です。
また森林環境もクマの生息に適していないため、過去にもクマの定住記録はありません。
Q.クマがいない地域でも危険な動物はいますか
A.はい。クマがいない地域でも注意すべき野生動物は存在します。
例えば沖縄ではイノシシが村道や農道、国道付近に出没することが報告されており、交通事故や農作物被害につながる可能性があります。
家畜から野生化したヤギ(ノヤギ)が増殖し、森林や植生に悪影響を与えていることが問題となっています。これらの動物は人や環境に影響を及ぼすため、地域ごとの注意喚起や対策が必要です。
まとめ
ここまでクマがいない県や地域について解説してきました。
■本記事のポイント
✅ 本州でクマがいないのは 千葉県のみ(本州唯一の完全不在県)
縄文時代の遺跡からもクマの痕跡が見つからず、古代から生息していなかった可能性が高い。房総半島の地形と都市化による“陸の孤立”が大きな要因。
✅ 千葉県は「海 + 都市化」によりクマが物理的に移動できない構造
南側は三方が海、北側は関東平野の都市部が連続。森林帯がつながらず、クマが侵入できる“緑の回廊”が存在しない。
✅ 千葉県にも野生動物の問題は存在し、外来種キョンによる被害が深刻化
クマがいない代わりにシカ・イノシシ、さらに外来種「キョン」の農業被害が年間400~500万円規模で発生。
✅ 九州は1950年代にクマが絶滅し、2012年に環境省が正式確認
森林伐採・餌不足・捕獲圧による絶滅。現在は生息ゼロで遭遇リスクは事実上ない。
✅ 四国のクマは絶滅危惧レベルで、剣山周辺に約16〜24頭のみ
過去の捕獲圧・森林減少の影響で極端に個体数が少なく、近親交配リスクが指摘されるほど地域的に孤立。
✅ 沖縄は地理的隔たりと亜熱帯環境によりクマが生態的に定着不可
過去の痕跡もなく、本州からの自然移動は不可能。落葉広葉樹林が乏しく環境条件も不適。
✅ クマがいない地域でも「他の野生動物リスク」は無視できない
九州・四国:シカ・イノシシ被害が農林業で最も深刻。
沖縄:ノヤギ増加やイノシシ出没が問題化し、地域ごとの生態系対策が進行中。
私は東京や大阪などはクマが生息していないと思っていたため、本州でクマがいない県が千葉県だけだと知り、私自身とても驚きました。
私は関西在住なので、クマがいない場所でアウトドアを楽しむなら四国なども候補になります。
ただ、四国や九州ではイノシシやシカなど別の野生動物による被害が深刻です。どの地域でも前もってその地域の生態を理解し、対策や準備をするべきだと感じました。
この記事が、ニュースの背景や地域ごとの生態系を理解する一助になっていれば幸いです。最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
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