寒さじゃない?熊の冬眠理由。冬眠いつから&冬眠しない個体の謎

熊・野生動物

更新日:2025年11月20日

冬眠はいつからするの?冬眠しない熊はいるのかと冬眠のメカニズムを徹底解説

最近、急に気温が下がってきました。私は「熊は冬眠するから、冬の間は出没ニュースも減るのでは?」と考えていたのですが、調べてみると近年は冬眠しない熊や、そもそも冬眠用の穴を作らない “穴持たず” の熊が報告されていると知り、「なんで冬眠しない熊がでてきたのだろう」と強い疑問を抱きました。

そこで今回は、なぜ熊は冬眠するのか、いつからするのか、なぜ冬眠しない個体が生まれるのか、そして冬眠のメカニズムについて、ニュースの仕組みをより深く理解するために整理しました。

本記事では次のポイントが分かります。

  • 熊が冬眠する本来の理由

  • 冬眠はいつからするのか
  • 冬眠しない熊(穴持たず)が増える背景

  • 熊だけが持つ特殊な冬眠のメカニズム

  • 熊の冬眠の研究

ニュースの背景を理解する一助としてお役立ていただければ幸いです。

熊が冬眠する理由

「熊は寒いから冬眠する」と思っていませんか? 実は私もそう考えていました。しかし調べてみると、冬眠の理由は寒さではないことがわかります。その本当の理由についてわかりやすく解説します。

『寒さ』ではなく『餌がないから』

多くの人が「寒いから冬眠する」と考えがちですが、実はヒグマなんかは寒さに非常に強い動物です。厚い毛皮と分厚い皮下脂肪のおかげで、本来は雪の中でも問題なく活動できます。彼らが冬眠する本当の理由は「冬場に食べる餌がなくなるから」です。

(出典:メーテレ クマ被害続く中、もみじ狩りの注意点は? 冬眠はいつ? 専門家「年末には冬眠する」「複数人で行動を」

クマの主食である木の実や新芽は、冬になると雪の下に埋もれ、昆虫などのタンパク源も姿を消します。この状態で動き回れば、エネルギーを無駄に消費し、餓死してしまう危険性があります。そのため、秋のうちに大量の食事をして体に脂肪を蓄え、冬はその脂肪を燃料にしながら、代謝を極限まで抑えて巣穴でじっと過ごすという生存戦略をとっているのです。

餌が豊富な環境では冬眠しない

冬眠が「寒さ対策」ではなく「餌不足を乗り切る手段」であることを示す代表例が、動物園で飼育されるクマの行動です。飼育下では毎日十分な食事が与えられるため、エネルギーを節約する冬眠を行う必要がありません。冬眠は体温や代謝を下げる負担の大きい行動であり、餌が確保できる環境では選択する理由がなくなるのです。

(出典:ふれあe+ 動物園の熊の冬眠

また、同じクマ科に属するジャイアントパンダも冬眠しないことで知られています。パンダの主食である笹は常緑の多年生植物で一年を通して手に入りやすく、冬でも食料が途切れません。つまり、餌が確保できる限り冬眠は“必須ではない行動 であり、環境によって大きく変わる柔軟な生態だといえます。

(出典:tenki.jp クマは大型哺乳類なのにどうして「冬眠」するの?七十二候熊蟄穴(くまあなにこもる)

「冬ごもり」といわれる他の動物と違う熊の冬眠

シマリスなどの小型哺乳類が行う冬眠は、体温を0℃近くまで下げて仮死状態になります。対してクマの冬眠は、体温が通常より数度下がる程度にとどまり、脳も完全には眠っておらず、近づいてくる足音だけで目が覚めるような浅い眠りです。

これは「冬ごもり」とも呼ばれ、外敵などの刺激があればすぐに覚醒して動ける状態です。ただ、このような浅い眠りなのにも関わらず、ずっと浅い眠りのまま、排泄も食事をせず3~4カ月過ごすことが可能です。

(出典:のぼりべつクマ牧場クマの冬ごもり~飲まず食わずで生き抜く冬~(2月11日、12日実施)

ご提示いただいた構成案と参考記事に基づき、クマの冬眠時期と生態に関する記事を作成しました。


 

熊はいつから冬眠するのか

クマが冬眠に入る時期は全国一律ではありません。地域や性別、その年の気候条件によってタイミングは変動します。ここでは具体的な期間や環境要因について解説します。

冬眠期間

一般的に、日本のクマの冬眠期間は11月下旬から5月頃までとされています。多くの個体は11月下旬から12月頃に冬眠に入り、春先の3月から5月にかけて目覚めて活動を再開します。

しかし、妊娠しているメスのサイクルは少し異なります。メスの熊は冬眠中の1月下旬から2月上旬にかけて巣穴の中で出産します。生まれたばかりの子グマをある程度育てる必要があるため、出産したメスが冬眠から明けて穴を出てくる時期は、オスや出産していないメスよりも遅くなる傾向があります。

(出典:環境省 – 特定鳥獣保護管理計画作成のためのガイドライン(クマ類編)

気候によって変わる

生息地の気候は冬眠に大きく影響します。北海道のヒグマは気温が0℃を下回ると冬眠しますが、本州のツキノワグマは約6℃が目安です。

期間も地域差があり、平均は4ヶ月半ほどですが、暖かい西日本では1〜2ヶ月と短い場合や、穴に入らず過ごす個体もいます。

また、クマの冬眠は仮死状態ではなく、体温は37℃から31℃程度に下がるだけです。そのため、冬眠中でも浅い眠りの際に起きて水を飲んだり、暖かい日は活動したりすることもあります。

(出典:株式会社気象クラブ 冬ごもりしないクマがいるの?

オスとメスの違い

冬眠期間は性別によって異なります。とくにヒグマのメスは、冬眠中に出産し子育てを行うため、オスよりも長く冬眠するとされています。冬眠から目覚める順番も特徴的で、オス → 子どものいないメス → 子グマを抱いたメスの順に外に出てくると報告されています。

(出典:札幌市 ヒグマの生態・習性

冬眠しない熊とは?

本来、熊は冬になると冬眠をして春を待ちますが、近年では様々な要因により、真冬でも活動を続ける「冬眠しない熊」の存在が確認され、問題視されています。

なぜ冬眠しないのか?「穴持たず」と言われる熊の存在

冬眠しない熊は、猟師や専門家の間で古くから「穴持たず」と呼ばれてきました。冬眠できない最大の理由は、秋の食料不足です。

ドングリやブナの実などが凶作で、冬を越すための十分な皮下脂肪を蓄えられなかった個体は、冬眠という生理現象に入ることができません。

その結果、空腹に耐えかねて雪深い山を徘徊し、餌を求めて必死に動き回ります。これらは極度の飢餓状態にあるため、警戒心が薄く、人間や家畜を襲う危険性が非常に高いとされています。

(出典:Yahoo!ニュース(FLASH) – 北海道猟友会札幌支部防除隊長が警鐘!「年の瀬は冬眠しないクマ『穴持たず』に注意せよ」

アーバンベアは冬眠しない?

近年、市街地周辺に出没する「アーバンベア(都市型クマ)」もまた、冬眠のサイクルを乱しています。通常、自然界では冬に餌がなくなりますが、人里近くでは廃棄された野菜や果樹、生ゴミなどの「冬でも手に入る食料」が存在します。

これらに依存したクマは、餌不足にならないため動物園の熊と同様に、冬眠を必要としなくなる場合があります。あるいは山で冬眠せず、こうした豊富な餌がある人里近くで冬眠する可能性あり危険視されています。

(出典:わずか40メートル歩行者とクマがニアミス…通勤時間帯に“アーバンベア” 「近い!近い!」海を泳ぐクマを発見・駆除

アーバンベアについては👇こちらの記事で詳しく解説しています。
アーバンベアとは?意味・原因・被害状況をわかりやすく解説

暖冬が与える影響

海外では、外気温が熊の冬眠行動に影響を与える事例が報告されています。日本では気温がどの程度冬眠に関係するのか明確には分かっていませんが、参考になる研究はいくつかあります。

たとえば、ウクライナのシネビル国立自然公園では、暖冬の年に32頭中29頭が冬眠に入らなかったと公園職員が取材に答えています。また、米国コロラド州の野生動物保護区「Colorado Parks and Wildlife」が紹介した研究では、冬の最低気温が1℃上昇すると冬眠期間が約6日短くなるとする論文が発表されています。

熊の冬眠はなぜすごい?

クマの冬眠は、単に長く眠るだけではありません。体温管理や栄養のリサイクルなど、生命維持のための驚くべきシステムについて解説します。

体温を落とさずに代謝機能を落とす

リスやヤマネなどの小型哺乳類が行う冬眠は、体温を氷点下近くまで下げて仮死状態に近い形をとりますが、クマの冬眠は全く異なります。

クマは通常37℃前後の体温を、30℃〜36℃という比較的高い範囲で維持したまま、代謝量だけを通常時の約4分の1にまで劇的に低下させる能力を持っています。

(出典:ナショナルジオグラフィック日本版 冬眠中のクマの驚くべき体内メカニズム

冬眠中の出産ができる

メスのクマは、冬眠という絶食状態の中で出産し、授乳を行うことができます。6月〜7月の夏場に交尾をしますが、受精卵はすぐには子宮に着床せず、母体が十分に栄養を蓄えた秋になってから着床します(着床遅延)。

その後、冬眠中の1月〜2月頃に極めて未熟な状態で赤ちゃんを出産します。母グマは春まで一切の食事をとらず、自身の蓄えた脂肪を分解して作った栄養価の高い母乳を与え続け、穴の中で子育てをするという離れ業をやってのけるのです。

(出典:北海道大学 第129回サイエンス・カフェ札幌「面白くて眠れないくまの話〜繁殖と冬眠の生理学〜」を開催しました

熊だけに備わった特別なリサイクル機能

熊が数か月ものあいだ飲食も排泄もせずに冬眠を続けられ、さらに出産や子育てまで行える理由には、熊特有の「体内リサイクル機能」があります。

まず、体に蓄えた脂肪を分解して大量の水分を生成するため、水を飲まなくても体内の水分バランスが維持されます

加えて、最も注目されるのが尿素を膀胱から再吸収し、再利用する仕組みです。吸収された尿素は分解され、窒素やたんぱく質として再び体内で活用されるため、冬眠中でも内臓や筋肉が衰えないのです

さらに、長期間動かない「寝たきり」の状態にもかかわらず、カルシウムが尿中に排出されないため、骨量が減りにくい点も特徴です。こうした一連のメカニズムが、熊の驚異的な冬眠能力を支えています。

(出典:tenki.jp 冬ごもりのクマ、寝ながらこんなことしていたとは?! 七十二候「熊蟄穴(くまあなにこもる)」。

熊の冬眠の研究

熊が持つ「動かなくても健康を保つ」驚異的な体内メカニズムは、人間の医療や健康維持に応用できる可能性があるとして、研究が進められています。

ヒトの寝たきり防止や効果的なリハビリテーション手法の開発

広島大学などの研究グループは、冬眠中のツキノワグマの血清に、ヒトの筋肉細胞を増やす効果があることを発見しました。通常、人間は動かないと筋肉が衰えますが、冬眠中のクマの血清を加えてヒトの筋肉細胞を培養したところ、総タンパク質量が増加することが確認されたのです。

これは、筋肉の分解システムが抑制されるためと考えられています。このメカニズムが解明されれば、長期間の入院や寝たきりによる筋力低下を防いだり、より効果的なリハビリテーション手法の開発につながったりする未来が期待されています。

(出典:広島大学 【研究成果】冬眠期のツキノワグマ血清にはヒトの筋肉細胞量を増やす効果があることを発見

糖尿病予防

クマは冬眠前に大量に食べて激太りしますが、人間のように糖尿病や高脂血症などの生活習慣病にはなりません。実は、クマは季節に合わせて自身の体質を劇的に変化させています。秋には脂肪を蓄えるためにあえてインスリンの効き目を悪くしますが、冬眠中は代謝を制御し、血糖値を正常に保つことができるのです。

この「肥満でも健康」な状態を維持する特殊な代謝メカニズムを解明することで、人間における肥満対策や、新しい糖尿病予防・治療薬の開発への応用が進められています。

(出典:日本経済新聞 – 「冬眠」のメカニズム解明へ 糖尿病など治療に応用期待

エコノミー症候群の回避

人間は長時間同じ姿勢でいると、血流が悪くなり血栓ができる「エコノミークラス症候群」のリスクが高まります。しかし、クマは数ヶ月もの間、狭い穴の中でほとんど動かないにもかかわらず、血栓ができたり血管が詰まったりすることはありません。

近年の研究では、冬眠中のクマの血液中に、血が固まるのを防ぐ特殊な酵素やタンパク質が増えている可能性が示唆されています。この仕組みを応用できれば、手術後の血栓予防や、長時間の移動における健康リスクを減らす薬の開発に役立つかもしれません。

(出典:Lab BRAINS – クマの冬眠研究から、ヒトの健康長寿のヒントを探る

よくある質問(FAQ)

Q1. 熊が冬眠するのは寒いのが苦手だからですか?

A. いいえ、寒さが理由ではありません。冬眠する理由は、冬になると雪で主食の木の実などが埋もれ、餌が確保できなくなるからです。無駄なエネルギー消費を避けるための生存戦略です。

Q2. 動物園にいる熊も冬眠しますか?

A. 基本的に動物園の熊は冬眠しません。飼育員から毎日十分な餌をもらえる環境では、エネルギーを節約する必要がないからです。餌さえあれば、熊は冬でも活動できる動物です。

Q3. 冬眠中の熊は、ぐっすり眠っていて起きないのですか?

A. いいえ、熊の冬眠は「浅い眠り」です。シマリスなどのように体温を0℃近くまで下げて仮死状態になるわけではなく、体温は30℃〜36℃と高めを維持しています。そのため、人の足音などの刺激があればすぐに目覚めて動くことができます。

Q4. 冬眠中、熊はトイレ(排泄)に行かないのですか?

A. はい、冬眠中の3〜4ヶ月間は排泄を行いません。熊には膀胱から尿素を再吸収し、熊特有の「体内リサイクル機能」が備わっているため、トイレにいかなくても健康を維持できます。

Q5. メスの熊は冬眠中に出産すると聞きましたが本当ですか?

A. 本当です。妊娠したメスは冬眠中の1月〜2月頃に穴の中で出産します。さらに母熊は春まで絶食状態のまま、蓄えた脂肪を分解して作った母乳を与えて子育てを行います。そのため、子連れの母熊はオスよりも遅く冬眠から覚めます。

まとめ

この記事では、熊がなぜ冬眠するのか、その時期や期間、近年話題となっている「冬眠しない熊」の背景、さらに冬眠中の体内メカニズムや冬眠の研究知見について解説しました。

本記事のポイント整理

冬眠の真の理由は「寒さ対策」ではなく「餌不足」の回避
寒さに強いクマも、食料が枯渇する冬を生き抜くために代謝を下げて省エネモードになる

期間は地域や気候で変動(通常11月〜5月)
気候や性別(妊娠中のメス)によって時期がズレる。動物園のクマは餌があるため冬眠しない

冬眠しない危険なクマ「穴持たず」と「アーバンベア」
食料不足で眠れない個体や、人里の餌に依存して冬眠しない個体が増加しており注意が必要

熊の冬眠は体温を下げすぎない「浅い眠り」で即座に覚醒可能
小型哺乳類の仮死状態とは異なり、外敵に反応できる体温(約30〜36℃)を維持している

「飲まず食わず」で筋肉や骨を維持する驚異のリサイクル機能
尿素を再利用して筋肉に変える仕組みは、人間の寝たきり防止やエコノミー症候群対策への応用が期待される

私自身、熊の冬眠には「寒いから眠る」というイメージを持っていました。しかし、調べてみると実際には冬にエサが確保できないため、省エネ状態で冬を越すという合理的な戦略であり、その目的に合わせて体内メカニズムまで大きく変化させていることに驚かされました。

また、近年報じられる「冬眠しない熊」に関しても、都市部にエサが豊富にあるため冬眠の必要がなくなっていること、そして熊の冬眠自体が完全な睡眠ではなく“浅い眠り”であるため、条件次第で冬でも行動できる点に納得がいきました。

さらに調べていく中で、出産の時期を調整したり、飲まず食わず・排泄もせずに4か月以上過ごせたりと、熊の冬眠には人間では想像できない高度な仕組みが備わっていることがわかり、あらためて非常に興味深い動物だと感じました。

この記事が皆様のニュースを深く理解する一助になれば幸いです。
最後までお読みいただきありがとうございました。

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