更新日:2025年11月18日
熊の足の速さはどれくらい?人間との比較やその他の身体能力についても解説
近年、熊の出没や目撃情報に関するニュースが全国各地で相次いでいます。
背景には餌不足や環境変化があり、出没が増える要因になっていると指摘されています。
実際に青森県では熊の出没件数が1,160件に達し、過去最多だった2023年の記録をすでに上回りました。
(出典:TBS NEWS DIG 熊の出没数が青森県で過去最多に…1160件で2023年上回る 弘前市では70代男性が路上で襲われけが 先月も女性襲われる)
栃木県でも今年4月から7月までの熊目撃件数が107件と、ここ10年で最も多かったため、
県はクマと遭遇しないように対策の徹底を呼び掛けています。
(出典:NHK 栃木NEWS WEB 栃木県内 クマの目撃件数ハイペースで増加 対策徹底呼びかけ)
ツキノワグマやヒグマは見た目に反して非常に運動能力が高く、
走行速度は時速40〜60kmに達すると言われています。
この速さは人間のトップアスリート(ウサイン・ボルト選手:100mを9.58秒)
を上回る水準であり、熊の身体能力の高さを示す興味深いデータです。
そこで本記事では、

・熊の驚くべき足の速さ
・人間との比較
・足の速さだけじゃない身体能力
を徹底解説します。
熊はどれくらい速く走れるのか
平均的な走行速度(時速40〜60km)
熊の足の速さは想像以上で、一般的に時速40〜60kmに達するといわれています。
(出典:CBC NEWS:クマの走るスピードは時速50キロ 暖冬のことし冬眠から早めに目覚める可能性も 被害に遭わないためにはどうすればいい?)
これは短距離走で世界最速のウサイン・ボルト選手(最高時速約45km)をも上回るスピードです。
熊は山道や森林などの不整地でも高い運動能力を発揮し、
環境に適応した身体構造を持っています。
ツキノワグマとヒグマで違う速度
日本に生息する熊は主にツキノワグマとヒグマの2種類ですが、その足の速さには違いがあります。
(出典:NEWSCAST ツキノワグマとヒグマの違い、行動・能力など「クマのすべて」がわかる『にっぽんのクマ』3月17日発売)
ツキノワグマは時速40〜50km程度とされ、短距離であれば軽自動車に匹敵するスピードを出すことが可能です。
一方、北海道に生息するヒグマはさらに大きな体格にもかかわらず、時速60km近くで走ることがあると報告されています。
熊の足の速さは種類によって幅があるものの、いずれも人間の走力を大きく超えていることはほぼ不可能に近いと言えます。
100mを6秒台?ヒグマの驚異的な速度
ヒグマはその巨体からは想像できない俊敏さを持ち、100mをわずか6秒台で走ることがあるといわれています。
熊の足の速さは単なる数値の比較ではなく、野生動物としての適応力や生存能力の高さを物語っています。
熊の身体構造
熊がこれほど速く走れるのは、単なる“力が強い動物”だからではなく、身体構造そのものが走行に適しているためです。
ここでは、熊の走力を支える身体的特徴をいくつか取り上げて紹介します。
発達した筋肉
熊は、前脚と上腕の筋肉が非常に発達しており、手前に強く引き寄せる動作が得意です。
これは、走るときの地面をつかむような動きだけでなく、
木登り
土を掘る行動
獲物や硬い物を引き寄せる動作
など、さまざまな場面で力を発揮します。
筋肉量が多く、上半身のパワーが大きいことは、瞬発的なスピードにもつながっています。
(出典:京都府「熊の出没・対策情報」資料 ツキノワグマについてPDF)
強力な咬合力(噛む力)
走るスピードとは直接関係しませんが、熊の身体能力の高さを象徴する要素として咬合力(噛む力)があります。
比較としてよく挙げられるデータでは、
ホッキョクグマ:約 人間の約7.5倍
グリズリー(ヒグマの一種):約 人間の約7.3倍
この咬合力は、硬い木の実を割る、骨を砕くといった行動を可能にするものです。
身体全体の強さを示す一例として紹介しておきます。
冬眠中なのに筋肉が衰えにくいという特性
興味深い研究として、ツキノワグマの冬眠中の筋肉量は、長期間の絶食や不活動にもかかわらずほとんど減らないことが確認されています。
この特性は医療分野でも注目されており、
寝たきりによる筋力低下の予防
新しいリハビリ手法の研究
などへの応用が期待されています。
動物生理学の中でも特にユニークな特徴で、人間とは大きく異なる代謝システムを持っていることがわかります。
(出典:広島大学 ツキノワグマは冬眠期に筋肉を省エネモードに変化させることで筋肉の衰えを防止していることを発見)
熊の身体能力は走力だけではない
熊は足が速いだけでなく持久力もあります。そして実は木登りや泳ぎも得意です。
持久力と速度の両方を兼ね備える動物
熊は短距離での爆発的なスピードに加えて、一定の持久力も備えています。
ツキノワグマは数百メートルを時速40km以上で走り続けることがあり、ヒグマに至っては長距離でも高い速度を維持することが可能です。
これは強靭な筋肉と大きな肺活量によるもので、獲物を追跡する際にも役立ちます。
ルーマニアのニュースではあるが、スキー場に現れたヒグマが時速50kmで3分ほどスキーヤーを追いかけたという動画が公開されている。
木登り・泳ぎも得意なオールラウンダー
熊は陸上での俊足に加え、木登りや泳ぎにも優れた能力を持っています。ツキノワグマは木登りが得意で、果実や木の実を求めて素早く木を登る姿が観察されています。
一方、ヒグマは大きな体格にもかかわらず、川や湖を長距離泳ぐことができ、サケを捕らえる際には水中での動きも巧みです。
熊は走る速さだけでなく、木登りや泳ぎといった多彩な身体能力を持つ動物です。
木に登る力や泳ぐ能力は、熊が多様な地形に適応してきた証拠でもあります。
パンチ力は「2t」
熊のパワーは、体の大きさ以上に圧倒的です。
実際、車と遭遇した際にフロントガラスやドアを簡単にへこませるほどの力を見せることがあります。
熊のパンチは約2トン相当の衝撃になるとも言われています。
比較すると、大型力士が立ち会いでぶつかる衝撃がおよそ1トンとされており、
熊の攻撃はその約2倍のインパクトに相当します。
(出典:DIAMONDonline グローバル化する大相撲 相撲協会に必要なのは「伝統」を捨てる勇気)
まとめ|熊の足は人間をはるかに超える速さ
この記事では、熊の足の速さを中心に、その身体能力や運動特性について紹介しました。
熊の走行速度は、ツキノワグマで時速40〜50km、ヒグマでは時速60km近くに達するといわれています。
これは人類最速のアスリートを上回るほどの驚くべきスピードであり、熊の高い身体能力を示す代表的な特徴の一つです。
さらに熊は、木登りや泳ぎといった多様な動作にも優れ、山地や森林などの環境に適応して生活しています。
これらの能力は、熊の驚異的な身体構造によるものだと言われています。さらに熊の冬眠は医療分野でも注目されています。
このような熊の身体能力を知ることでニュースを深く理解する一助になれば幸いです。
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